概要
日本において認知症患者は462万人,軽度な患者は400万人いるとされています。こうした認知症予防には回想法(楽しかった・幸せだった思い出を話す)や運動療法,認知刺激法が有効という心理学の知見があります。この中で重要となる行動に,たとえば「傾聴」が挙げられます。傾聴には「人との対話」が必須ですが,現状,日常的に,この種のサービスを提供出来る人材や教育も不足しています。そこで本プロジェクトでは,高齢者の心の健康維持のため「ICT」を用いることで認知支援を実現する研究分野を開拓することを目指します。
また、本プロジェクトは立命館大学の総合心理学部と情報理工学部,食マネジメント学部の教員・研究員・大学院生約50名が参加する約1億円以上の予算規模の研究プロジェクトです。プロジェクトへの参加を通じて,若手研究者の育成,特に国際的に活躍できる研究者を育てていくことも目指しています。
こちらにも概要などを載せているので併せて参照していただければ幸いです.
アプローチ
本プロジェクトでは,次のような社会貢献を目指しています。
- 人とITによる共生社会の構築
- 人手に頼らない持続的な認知的支援の実現
これを実現するために,以下の研究開発に取り組みます。
- 高齢者の認知機能の理解・状態を検知するモデル
- 仮想現実VRや複合現実MRを利用した支援システム
- 認知モデルによる記憶想起をトリガーするインタフェースシステム

組織構成
以下の3種類のグループを構成し,研究・開発に取り組んでいきます。
- (G1)認知モデルの構築と傾聴手法の検討
- (G2)VR/MR環境におけるインタラクション分析
- (G3)記憶の想起を促すシステムの開発と検証
これらのグループ間の連携により,心理学と情報工学の異分野融合,学部間の学術的な連携・持続的な関係構築を目指します。
