人間の話者が行うコミュニケーションでは,共通理の理解を構築するためのGroungingというプロセスが重要であることが認知科学や言語学の分野で指摘されてきている.本研究室では,どのようなインタラクションのプロセスやそこでの認知メカニズムがGroungingの成功に影響しているのかについての検討を行っている.さらに,話者同士がお互いにどのような視線情報などの非言語情報を用いているのかについても言語情報と合わせて定量的な分析を行っている.これらの検討の手法としては,心理学実験やコンピュータのモデルの構築まで幅広く検討を進めており,眼球運動の測定や表情解析などのマルチモーダルな分析を行っている.

言語同調/Lexical Alignment

Hoshida, M., Tamura, M., and Hayashi, Y. (2017). Lexical Entrainment Toward Conversational Agents: An Experimental Study on Top-down Processing and Bottom-up Processing. Proceedings of the 5th International Conference on Human Agent Interaction, 189-194.

メディアの効果/Media Effect

林勇吾・三輪和久(2011), コミュニケーション齟齬における他者視点の理解, 認知科学, 18(4),569-584

傾聴コミュニケーションとモデル推定/Predicting Communication States from Listener’s view

黄宏軒・澁澤紗優美・林勇吾・川越恭二(2016),傾聴エージェントの実現に向けた傾聴会話参加者の自他評価による数値化モデルの提案, ヒューマンインタフェース学会論文誌,18(4),373-384

会話における言語情報と視線情報のモデル推定/Predicting dialogue and gaze movements

林勇吾(2019),知的学習支援システムによる協同学習の支援に向けて:視線情報と言語情報を用いた学習プロセスの推定モデル,認知科学,26(3),343-356